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妖艶なる吸血/柏木様 オフィスや街を闊歩する女性の脚は、高らかなヒールの音を響かせて、きりりと引き締まる脚線を誇示するごとくに歩みを進めるようです。 すれ違う麗人も、瞬時のうちに視界から遠のいてゆく、テンポの速い都会の刻(とき)。 一瞬目を奪われ、胸さわがせて。 それでも数瞬のちにはまた、もとのビジネスモードに戻ってゆく。 働き盛りの男性ならば誰しも、そうした瞬間をよぎらせるのではないでしょうか。 ビジュアルに萌える・・・というのでしょうか。 グラビア文化が男性誌からスタートしたように、見て美しいものに本能を刺激されてしまうのは、男性の方なのかもしれません。 知り合いでもないし、どこかでおあいした心当たりもない男性から、ときどきじっと見つめられていったい何なのだろう。と思う時があります。 その方は眼が合うと、気恥ずかしそうにそのまますれ違ってゆくものですが、時には「お時間ありませんか?」とおっしゃる方も。 でも、そんな時に限って次の打合せが迫っていたりして・・・。 素敵な男性だったりすると、仕事のほうを裏切りたくなってしまう、いけないわたくしです。 |
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