彼の娘の 年数えたる 桃節句
手に入らぬ 雛に焦がれし われ独り
春空に 彩り添えし 桃の花
風過ぎて 夜目にも白き 梅一輪
桃の陰 咲きたる梅の 凛として
祝いの夜 彼の人からの 便りきて
いいのかと 素直に喜べぬ 天の邪鬼
四つ五つ 重なるメールに 時は過ぎ
夜は更けて いつしか逢瀬を 約したり
今日は桃の節句ですね。 人型に一年の厄災を移して川に流し、無病息災と幸せを祈ったのがはじまりと言われています。 中国には西の白虎の守る砂漠の果てに、幡桃という不老長寿の桃の木に囲まれた百華の女仙の国があったとのこと。花に囲まれた美しい女性達と不老長寿の組み合わせは、桃の節句とは直接のつながりはないとはいえ心躍る空想をかき立ててくれます。
さて・・・とはいえ、桃の節句は家族のイベント。 だからこそ切なくなってしまうこともあるのです。 庭園の庭にいまを盛りと咲き誇る桃の花の向こうにひっそりと薫り高く一輪開く梅を見て、思わぬ親近感を感じてしまったりして。
華やかで切なくて幸せなこの一日。 みなさまはどうお過ごしになられますか?
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